我が家の奇跡

長男仁詩は、先天性の脊髄・下肢障害者です。小学校6年の夏休み(平成10年)に、(社福)静岡県社会福祉協議会ボランティアセンターが行ないました「第14回子どもの描くまちづくりコンクール」の作文の部に応募しました。10月の初めに、仁詩が「学校の先生が、ボクの作文が県知事賞になったって言ったよ」と言うのです。「そんなのは何かの間違いに違いない。でもエイプリルフールにしては時期がおかしいなぁ。」と、家族はだれ一人として信用しませんでした。しばらくして、漫画家の「のりづきりえ」さんから、電話がありました。「仁詩君の作文が、県知事賞になりました。毎年県知事賞の作文を、私が漫画にして冊子として学校などに学習資料として配っているんです。いままでは、健常者の方の作文だったので、想像で書けましたが、障害者となると、その障害の程度などが分らないと書けません。取材に行きたいのですが・・・」とのことでした。それで、家族は「仁詩の言っていることはウソじゃなかった」と驚き、大騒ぎとなりました。

「のりづきりえ」さんは、島田市に住んでいられます。我が家の御殿場とは、100キロ以上離れています。車で、遠いところまで取材にきていただきありがとうございました。私は、残念ながら仕事でお会いできませんでした。女房やおばあちゃんから、日ごろの生活ぶりなどを主に取材されたようです。

年末には、「のりづきりえ」さんより、漫画の最終校正のものを送っていただきました。その漫画を見てビックリ。なんと女房がスマートなのです。(^O^) かなり気を使っていただいたようです。(^_^;; 女房はニコニコしてました。私は、登場しませんでした。「育児をしない人をお父さんとは言わない」ということでして・・・

賞状 やはり、年末に、学校の全校集会で、賞状と盾をいただきました。これで本当にもらったんだという実感が湧いてきました。早速額を買ってきて、居間に飾りました。

3月になると、待望の漫画が出来上がり、学校から1部いただきました。お世話になった先生方などに差し上げたいということで、(社福)静岡県社会福祉協議会ボランティアセンターから2回、計16部ほど分けていただきました。幼稚園でお世話になった先生、静岡県立こども病院の先生、入院中に一時的に転校した病院内の学校の先生など、みなさんに喜んでいただきました。

盾

また、産経新聞に漫画のことが載ったのを見て、「広報ごてんば」のクローズアップというコーナーに、掲載したいので担当者が学校に取材に行きたいとのことで、小学校から連絡がありました。親としては、そこまではさすがに恥ずかしくて、気がひけましたが、こんな光栄なことは二度とないでしょうし、私がもらったわけでもありませんので、受けることにしました。広報が配られると、あちこちからお祝いの電話が入りました。漫画を見たいということで、我が家にあった漫画は大活躍でした。

乙武洋匡さんのベストセラー「五体不満足」を読むと、漫画の内容と似ているのでビックリしました。仁詩も、乙武さんのように「障害は個性だ」と胸を張って、明るく生きていって欲しいと思います。障害者だからといって、「助けてもらうのは当り前だ」と、甘えてばかりはいけません。でも、「できることはやる。できないことは頼む。」と、堂々と頼むことも必要です。施設のバリアフリーも大切ですが、心のバリアフリーはもっと大切です。みなさんも、困っている障害者の方を見たら、ぜひ助けてあげてください。「指一本のボランティア」があるように、「声をかけるボランティア」というのもあると思います。「だいじょうぶ?」と声をかけていただければ、「お願いします」と言えることって、いっぱいあるのではないでしょうか? でも、あまり助けすぎるのもダメですね。うーーん、難しい。我ながら支離滅裂で、何を書きたいのか分らなくなってきました。

やさしさ おもいやり 広報ごてんば クローズアップ
福祉マンガ「やさしさ おもいやり」 広報ごてんば 4月5日号 クローズアップ

福祉マンガ「やさしさ おもいやり」を、資料室に展示いたしました。こちらです。なお、福祉マンガ「やさしさ おもいやり」は、(社福)静岡県社会福祉協議会ボランティアセンターが、企画・制作・発行者です。本ホームページには、許可を得て掲載しています。無断でコピー、転載することは禁じられています。

広報「ごてんば」4月5日号、クローズアップを、資料室に展示いたしました。こちらです。なお、こちらも掲載については、許可をいただきました。